KAORI SOMEYA染谷 香理

「ハレとケ」相反するものとの調和
東洋の伝統的な画材を使用して制作を行っています。
東洋画の画材は、岩から作られた群青や緑青のほかに、土から作られた白土や黄土、風化した貝から作られた胡粉、金属を加工して作られた鉛丹や朱、植物や虫から抽出された藍や臙脂、金属材料そのものである金や銀など実に様々な素材から作られています。
特に東洋絵画のなかでも日本画は、これらの様々な材料を見事に調和させながら現在まで伝承されてきました。
そしてこのように複合的な要素を一枚の作品の中に取り入れるという行為は、単に材料そのものだけでなく、描画や装飾といった表現そのものにまで及んでいます。
私自身が制作を行う上では、このように様々なものを一枚の作品の中で調和させるという行為を大切にしながら、そこへさらに虚像や実像、ハレ(非日常)やケ(日常)といった相反するものも作品に取り入れて表現を試みています。
染谷 香理
《作家略歴》
1999年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業
2002年 東京藝術大学大学院文化財保存学保存修復日本画修士課程 修了
2007年 有芽の会 法務大臣賞
2009年 東京藝術大学大学院非常勤講師(~ 2014)
2011年 再興院展 奨励賞(同2013~2018, 2023, 2025)
春の院展 外務大臣賞, 奨励賞 (同2013~2016, 2018, 2020, 2024)
2014年 東京藝術大学大学院教育研究助手( ~ 2017)
第2回 郷さくら美術館 桜花賞 奨励賞
2015年 第4回 前田青邨顕彰中村奨学会 中村賞
2017年 東京藝術大学大学院助教(~ 2020)
2018年 再興院展 足立美術館賞
2023年 再興院展 天心記念茨城賞
2024年 NARS Foundation International Residency, ニューヨーク
作品収蔵/足立美術館, 郷さくら美術館, 新見美術館, 今井美術館, 茨城県近代美術館