東京芸術大学音楽科に入学しても、学園祭では看板描きに精を出し、1990 年クライズラー& カンパニーのヴァイオリニストとしてデビューの後も、ツアー移動中には、スケッチブックを持参し、時間を見つけては絵を描いていた葉加瀬太郎。ヴァイオリニスト葉加瀬太郎には、もう一つ画家の姿がありました。
そんな、画家・葉加瀬太郎が以前より親交のあり、「現代のドガ」と言われた、アメリカの画家ロバート・ハインデル展の会場に8点の原画をお披露目したのは、1995年でした。
今年は画家デビュー30 年の節目の年にあたります。
その後、有楽町阪急（現・阪急メンズ東京）や全国の著名な百貨店、美術館、代官山ヒルサイドフォーラムでの文化催事などで作品を発表してきました。
自分の絵を見て、子供たちが絵を描きたいと思ってくれればうれしいと語る葉加瀬太郎。
過去30年に制作したベストセレクションと新作を含め約50点で構成する本展は、思わず笑みが浮かび、心温まる展覧会です。
葉加瀬太郎の温かく、優しさ溢れる人間性を絵画で感じ満喫してください。

SUPER LOVE ART　僕の絵について
「1995年に初めて渋谷で絵画を展示して今年で30年。僕が日記のようにしたためていたものが手紙になった瞬間でした。
以来、僕にとって絵画は音楽とともに大切な表現手段となりました。
僕の絵には、絵画界の新しいアイデアも圧倒的な技術力もありません。
芸術なのか、そうでないのかも全く分かりません。
でも僕には絵画を通して伝えたいメッセージがあります。
それはアートの楽しさです。
人は誰もがその人生の中に、何にも変えることのできない楽しさを見つけるべきです。
じゃあそれって一体何でしょうか？それは夢中になれることだと思います。
時を忘れて没頭できるその時間、それこそが人生の喜びなのです。
僕は絵に向かっている時間が好きです。
そこで生まれた熱量こそがアートの楽しさだと信じているんです。
だから、僕はこれからも手紙を描き続けるのです。」

葉加瀬太郎

心のシンボル

「エンジェル（部分）」リキテックス キャンバス／159.5×835cm
1996年、有楽町阪急（現・阪急メンズ東京）で開催した展覧会初日の前日、会場で夜通しかけて描いたエンジェル（横約8ｍの巨大絵画）。絵描きの自分にとってのシンボリックな作品です。

大作曲家・画家達へのオマージュ

「夜色のさかな」油彩 リキテックス キャンバス／116×90cm

「Beethoven」リキテックス キャンバス コラージュ／60×60cm
音楽家・画家として先人達から得た大いなるインスピレーションは、音楽・絵画を作るときの自分にとっての創造の源でもありました。偉大な大先輩達をリスペクトする気持ちを絵にしました。

ポップアート＆ミニマルアート

「George Ⅰ」リキテックス キャンバス／117×91cm

「Peace」リキテックス キャンバス／100×100cm
面白がって描く落書きの積み重ねから沢山のキャラクターが誕生しました。ある面では、私の玩具ミニマルアート達です。

子供の領分

「子供の領分～公園の風景」リキテックス キャンバス／116×181cm
私の子供が小さい頃、子供と日が暮れるまで公園で遊びにふけてしまう時間がありました。歳をとっても、子供心を忘れることなくいたいと思っています。

ポートレート

「U R Welcome」リキテックス キャンバス／120×90cm
学生時代から「人の顔は本当に面白い」と人の顔を描くのが大好きでした。

ロンドンでの生活

「ロンドンバス」リキテックス キャンバス／117×91cm
長女ひまりがロンドンで学生生活を送るようになってから、家族でロンドンでの生活を楽しむときがありました。記憶から離れないロンドンの町の印象です。

抽象イメージへの試み

「キッチンのコンポジション1」リキテックス キャンバス／60×60cm

「瀬戸大橋のコンポジション4」リキテックス キャンバス／45×45cm

「瀬戸大橋のコンポジション10」リキテックス キャンバス／33×33cm

「瀬戸内海のコンポジション7」リキテックス キャンバス／60×60cm
自分の日常を抽象画にしてみました。釣りをする岸から見た瀬戸大橋の抽象イメージ。日々キッチンに立つ度に見えてきた抽象イメージ。わが家の壁にポンと飾りたいなと思って作った抽象イメージ。